新!コテ派な日々~第九話~砂浜に滴る、赤い液体。それはその場にどんどん溢れ、面積を広げていく。紅く染まる砂。その砂に埋もれ、頭部を汚す男が一人。 ……いや、そもそもその赤い液体はそこから漏れているのか。 真っ赤な浜の中心に、ロドクは倒れていた。 誰もが沈黙して彼を見つめたまま動かない。 何が起こったのだろうか。 時はほんの数分前、ビーチバレーが終わった頃に遡る。 ロドク「え、マジか。続くのか。」かてないさかな「それをアナタが言うんですか。」アナタ主導でしょ今回。 ロドク「つったってなぁ…。結局バレーの結果は有耶無耶、景品も仕舞われちまったからなぁ…。」 ミッキー「まぁこれ以上はもう、ただの命の取り合いになりそうな予感がしたからね!」そこまでやれとは言ってないよ! ユキ「ちぇー。ま、仕方ないかー。次の機会があればその時にでもまた、景品を賭けよう…って、あ!ある!」 死忘「え?ユキ姉何が?」ユキ「早速その機会があるってーの!ほら、海と言えばアレがあるじゃん!ね!」 糊塗霧「アレ…?」閃光騨「クラゲ?」ロドク「まだ引っ張ってんのかクラゲ」いらねぇ。 ユキ「じゃなくてもう!!海といえばほら、やることあるでしょ!?」 全員「あぁ!」ユキ「そう!」 全員「海の生き物の観察?」ユキ「ちがああああう!!」全員「えぇー!?」 ユキ「根暗なコテ共め!!違うでしょ!!海といえばスイカ割り!スイカ割りあるじゃない!!」 激撃激「…あー!そうか、そういうのあったな!!」糊塗霧「いやぁ、驚いたな、その発想に脱帽だ。」 かてないさかな「皆さん、拍手!」 パチパチパチパチ! ユキ「そこまで言われる程のもんじゃなーい!!ほんともうこのコテ共は!!ともかく!やるよ!?」 糊塗霧「…と言うか海で泳いだりはしないのか?それこそ海といえば一番に泳ぐことじゃないのか?」 ユキ「そんな事言っても泳げ無さそうな人結構いるし…てかね、やっぱ決着ついてないから気持ち悪いし!!」 ミルラ「うーん。確かにそう言われたらそうかも?」死忘「ユキ姉白黒ハッキリつける人だもんねぇ…。じゃぁ後でいっかもう海」 ロドク「えっ、あ、あー…そうだな!そこまで言われたら行きづらいもんな!まず決着付けるとするかー!」 かてないさかな「(明らかにアイツ一人勝手に泳ぎに行く気マンマンだったな…。)」 シュタイナー「ふむ。そうと決まれば、その割る為のスイカとやらを用意せねばなるまいな…。用意出来るか?」 ミッキー「まぁ、すぐに手配するよ。」ロドク「なんなら俺が作れるけどな。」多分どの道手は加えるが。 シュタイナー「そうだ、スイカと言えば過去、こんな事があった。 …そう、あれも今日のように暑い夏の日…今から176年前になるが…」 ミッキー「よし、もう無視していい段階に入ったよ!話進めようか!」ロドク「だな。あ。てか」ミルラ「ん?」 ロドク「そもそもドクイロがスイカ嫌いだから…冷静に考えて俺らも全員スイカキライじゃねーかよ。」割る意味ねーぞ。 ※ドクイロは基本好き嫌いが多く、野菜・果物はほぼ苦手。 ユキ「って言ってもねぇ…。スイカ以外を割るとなるとなんか、見た目がなぁ…」死忘「盛り上がらないしねぇ。それに他になんかある?」 ロドク「ちょうどやかましいおっさん居るからアレでよくね?割れたら多分がっつり見た目はそっくりだぞ」 糊塗霧「いや全然そっくりじゃないと思う。」ユキ「流石にこの世界の住人とは言え進んで頭叩き割りたくないよ」 ※基本この世界には死の概念が存在しない。 糊塗霧「唯一、我々が食える果物と言えばりんごだが…これを割るのに使うのも味気ないだろうからなぁ…」 閃光騨「ちっちゃいもんね。」激撃激「つかオレ、ぼうナシでもわれんぞ。おら。」グシャッ 糊塗霧「踏むな。」 かてないさかな「楽しむゲームであって、勝ち負けが主じゃないゲームですし、これは私参加しますね。」 死忘「おぉ?珍しい。さかなが進んでやってくるなんて。」 ロドク「つか問題解決する前に参加表明されてもな…」コレは好きなのかお前。 かてないさかな「問題解決、ね…。ロドクさん。」割と好きかもしれない。 ロドク「あ?」 かてないさかな「正直それこそアナタの能力次第でどうとでもならないんですかね?」 ロドク「…! そうか…別に見た目がスイカでも、中身りんごなら食えるな…。よし、りんごをそうやって改造してみよう」シュパッ ロドク「出来たわ」 ユキ「もうこれ品種改良の類じゃね?」死忘「どっちかというと錬金術かも?」 ロドク「どちらでもない。超能力だ。まあ、先にやって見せた通り、材料次第でどうとでも組み立てられるからな」 ロドク「今材料に使ったのとか、それこそ死忘のポエムの詩の一部で作ったし。」 死忘「なんてもの使ってんだよ!?いや、まず、何で持ってんの!?何で隠し場所バレたの!?」材料ってアレかちくしょう! ロドク「さぁなんでだろーねーっと。まぁ、ともあれスイカは無事用意出来た。始めるとするか!」ユキ「おー!」 死忘「待って待って!そのままスルーしないで!てかポエムかえしてぇええええ!!」 かてないさかな「本当にコレ、元はりんごなんですか?」ロドク「おう。けどまぁ、先に言った通り手は加えてる。」 ロドク「リンゴのままだと、誰が叩いても即割れそうだしな。」 死忘「ちくしょうガンスルーだよ!!」 かてないさかな「それなら、本来のスイカ割りと変わりなくやれそうですね。安心しました。」 激撃激「いやー、スイカわることにならなくてよかったわー。」閃光騨「わっといてたべないとかありえないもんね。」 ユキ「よし!じゃぁゲームスタート…って待って?」ロドク「なんだよもうちょくちょく。今度は何?」 ユキ「シワくんが棒持てなくない?」ロドク「いやアイツはどうせ手が刃物だしそのままでいいんじゃねーか」 ユキ「それはそれですぐ終わっちゃってダメでしょ!」 ロドク「そこも調整してあるから問題ないよ」ユキ「いやそれどんなスイカだよ!?」 siwasugutikaku「イヤ…」ロドク「お?」 siwasugutikakuni「…コレデイク…」メキメキメキ… ユキ「あぁ、そっか!それがあったー!」 ロドク「いやダメダメ。背中の腕は使用禁止。その怪力でスイカはともかく、砂浜吹っ飛んだら後続が困る」ゲームにならん siwasugutikakuni「ム…」シュルシュル… ミッキー「…とりあえず、僕はさっきと同じくスポンサーすればいいのかい?この景品を割った奴に贈呈、と。」 ロドク「モチのロンよ!」ユキ「全員参加?」 全員「参加ー!!」 ユキ「元気でよろしい!さて、誰が一番行くー?」ロドク「俺が、って言いたいとこだが公平にやらんと意味ねーしな」景品あるなら ロドク「っといいつつ一番は独断と偏見によりミルラに行かせますはい決定異論は認めませんさぁスタート―!!」 ミルラ「えっ、うそ…僕が行くの?」ロドク「行っとけ行っとけ、折角今回遊びに来てんだからさ!」 全員「特に異議なし!」 ロドク「との事だから。…って意外だなオイ。どっからか差別反対的なやじ飛ぶと思ってたんだが。特に女性陣」 ユキ「どうせ割れないでしょ。さっきのバレー見てる限り。」死忘「だよね。露骨にかわいこぶって終わりでしょ」 ユキ「さっさと番終わらせてさっさと退いて貰った方がいいから一番がいいよね寧ろ。」死忘「うん」 ロドク「容赦なくひでーよこの女共。だからああいう評価なんだよ…。まぁいい、とりあえずガンバレ。ミルラちゃん。」 ミルラ「う、うん!頑張ってみる!よぉおおし!!」ブンブンッ ロドク「気合十分なのは判ったから素振りしてないで早く準備して下さい。」ミルラ「あっ、ご、ごめん。」 ミルラ「よーし!今度こそ!!」 ロドク「顔にタオル巻くのはスタート地点立ってからにしなさい。真っ直ぐコトちゃんに向かってるぞ今」ミルラ「えっ、ウソ?」 糊塗霧「あー…普段ならイザ知らず。現状私のBODYである“糊塗霧”が直ってないままだからな…。やめてくれマジで」 糊塗霧「特に急接近はかなりの恐怖だぞ。なにせこの身長だからな。踏まれそうでかなり恐ろしい。」 ミルラ「うわわわ!ご、ごめんごめん!!ごめんなさい!」 ユキ「もうこれこっちでやった方がいいね。」放っておくと何か起こる。 ロドク「だな。はい、こっちおいでー」 ミルラ「お、ぉ、ぉ?」ヨタヨタ ロドク「で、はーいまわしまーす。」ユキ「10回回すねー」グルグル ミルラ「あううああああ~」 ユキ「はい、スタート!」ミルラ「うあぁ~…もう全然わかんないやー…」フラフラ かてないさかな「とりあえず真っ直ぐ行くといいですよ。」ロドク「何か今スゲー右に傾いてるから戻せ戻せ!」 ミルラ「え、えっとみぎぃ…?」ヨタヨタ ロドク「逆逆逆逆!さらに曲がり始めてる!!」 閃光騨「ミルラちゃん、ゆっくりあるくんだよ!」激撃激「たおれるときはまっしょうめんだ!!」 死忘「なんの意味もないアドバイス飛んでるけど無視ねミルラちゃん!」 ミルラ「う、うんー…?」フラフラ シュタイナー「今何故直角に曲がった!?」糊塗霧「いや、でも今ので一周回って正面に戻ったぞ!」 死忘「あ、じゃぁ今度は左回りでお願いしまーす」ミルラ「え?」 ロドク「いじめんな影女!!そのまままっすぐでいいんだミルラちゃん!」ミルラ「まっすぐ…」フラフラ ユキ「おぉー。いい調子だ。いい調子ー。」 ロドク「あっ、ストップストップストップ!いいぞ!今真正面だ!そこ!そこでそのまま叩け!」 かてないさかな「上手く辿り着けましたね。」死忘「まずいなあ、1回で終わっちゃう?」かてないさかな「…いや。」死忘「え?」 かてないさかな「見てくださいあれ、何かおかしな構えじゃないですか?…まるでゴルフでもやるような…」 死忘「…あ、本当だ。」ミルラ「いくよー!えいやー!!」ボスンッ!! ドガァッ!! ロドク「ゴバァーッ!!」ズシャァァァァッ! 糊塗霧「うぉぉ!!ロドクーー!!!」死忘「うわー!!?ミルラちゃんによって打ち出されたスイカがロドクにホールインワーン!!」 かてないさかな「顔面にアレが入る穴ねぇよ」ユキ「いや今そこじゃなくない!?」 ユキ「あーあー…近くで見ようとヘタに真正面に立つから…」 以上、冒頭へ戻る。 ユキ「あー、とりあえず…」かてないさかな「ロドクさんはリタイアでしょうね。」あ、紅いのはスイカの汁ですよご安心を ロドク「リタイアじゃねぇ!!勝手に話進めんな!!」ガバァッ てかリンゴだから汁紅くねーよ!! 死忘「あ、生きてたの。今トドm…生き返らせようとしてたのに」 ロドク「嘘だぁっ!!モロにやる気出てるだろがぁ!」“殺る”と書いてやる気かお前!! 糊塗霧「凄く痛そうだな、平気かロドク。」ロドク「見ての通り重症だよ。せめてお前だけは味方でいてくれよコトちゃん」 糊塗霧「あぁ、そうか。重症か。じゃ、続きをやろうか」ロドク「味方でいろよ早速かよ。御見舞の言葉すらねーのか」 糊塗霧「お悔やみ申し上げます」ロドク「死んでねぇこの裏切り者めぇ!!」 ユキ「てかスイカ今割れたの?」ミッキー「ん?んー…あ、ダメだね!びくともしてないよ!」随分丈夫なスイカだなオイ ロドク「簡単に割られちゃ即終了あり得るからな。それじゃつまらんからさっき言った通り調整済みだ。」 死忘「どう何を調整したのやら…。」閃光騨「そもそもこれ、ぼくらのちからでこわれるのー?」 激撃激「こわせなきゃイミねーぞ?」 ロドク「その点は平気だ。力の加減で割れるもんじゃねーから。正しくしっかり叩ければ割れる仕組みだから。」 かてないさかな「なんか最早くす玉みたいですね…。」ロドク「…まぁ、そうだな。ともあれ」 ロドク「ミルラは叩き方が悪かった…失敗したから割れなかっただけだから平気だ。さ、次行けよ次。」 激撃激「つっても、つぎだれいくんだよ?きめてねーぞー。」かてないさかな「では私が年甲斐もなく立候補しましょう」 ロドク「年甲斐ねぇと思うなら譲っとけよもう。俺とかに」かてないさかな「ねーよ」 死忘「最初ミルラちゃんスタートだからその流れで女性陣でいいんじゃないの?」 糊塗霧「いやミルラ男だからな?流れ出来てないぞ。」 閃光騨「はい!じゅんびできたよー!!いきまーす!」 ユキ「って揉めてる間にせんちゃん行ってる!」ロドク「あいつ割とちゃっかりしてんなぁ…まぁ、もう行くしかねーな」 閃光騨「えい!!」ボスッ 激撃激「えぇぇえ!?なんでふったんだよ!?」閃光騨「あるとおもった」激撃激「ねーよ!」 かてないさかな「スタート直後でスイカある訳ないでしょ…。」 ロドク「勝手にチャンスを棒に振ったな。いや、棒を振った結果か。」ユキ「言い直さんでよろしい。」別に面白くないし。 死忘「もうこの流れでじゃあ次ゲキいくかー?」激撃激「おぉ!おっけー!!いくぞ!」キィイイン かてないさかな「いやアンタ棒持ちなさ…」激撃激「らぁああ!」ドォンッ!! かてないさかな「遅かったか」 ロドク「うん、これを想定して力じゃ壊れない様にしといたんだよね」 激撃激「どうだ?!ゲェッ!うそだろむきず!?」ロドク「って事で…ルール破るなボケ!」バシッ 激撃激「いてー!!ちょ、ユキねえー!!」 ユキ「ん?私に助けを求めても助けないよ?…だって私も怒ってるもの…」ゴゴゴゴゴ 激撃激「ひっ、ひぃいいいい!」 ユキ「ズルすんなぁああああ!!」ドドドドドド 激撃激「ごめんなさーい!」 ロドク「あー…まぁもうさっさと次行くぞ!」糊塗霧「ご愁傷様だ、ゲキよ…。」 しかし、その後もスイカは割れる事はなく…。 気付けば残すはロドクとユキだけになっていた。 ロドク「…俺そこまで厳しい設定にしたつもりないんだがなぁ。」何で誰も割れね―んだよ ユキ「まず誰もまともに割ろうとしなかったもんね。」何ですぐネタに走るの? 全員「反省!!」ビシッ ロドク「猿回しかよ。その反省通用しねーからな?俺らと現代っ子には」ネタの意味わからんだろーし ユキ「てか、どうする?どっち先行く?」ロドク「あん?俺は先よりは後だな。お前は?」 ユキ「あらま、奇遇。私先やりたいんだ。」ロドク「揉めなくてすんでいいじゃねーか。」ユキ「だね。」 ユキ「何とか決着は付けられそうだね。」ロドク「おう。サクッと決めようぜ」 ロドク「(先にやればその分相手に手の内を晒す様な物。それに相手の動きを分析して情報を得てコツを掴む、という手段を失う)」 ロドク「(後にやる事こそ有利。最悪俺がミスっても俺に順番が来てる時点で引き分けまでは確定。負けはなくなる。)」 ユキ「(何を考えてるか知らないけども、普通に先に叩いて割れば私の勝ちで終わりだよね。)」 ユキ「(後にした所で絶対割らないといけないプレッシャーでまともに動けるとは思えないし)」 ロドク・ユキ「(馬鹿め。もうこれは貰ったも同然だ)」 ユキ「じゃ、スタートしまーす。」 糊塗霧「もう我々の出番は済んだ事だ、全力で誘導していこうじゃないか!」 シュタイナー「よし、左だぞ、ユキとやら!」 閃光騨「もうちょっとこう、ゆっくりしたかんじでこっちのほうにいって!」 かてないさかな「具体的に言ってあげなさいよ…。二歩分右です。あ、歩幅が大きすぎる…一歩分左へ」 死忘「まっすぐまっすぐー!!今いい感じ!そのままー!!」 ロドク「うっわぁ、マジで全力だなオイ…。ほぼ完璧に一直線じゃねーか。」まずいな… ユキ「…ここ?」 激撃激「おぉおおー!!そこそこ!ズドーンと!ドカーンといっちまえー!!」 ミルラ「どういう仕掛けか分からないから慎重に割ろうね!」 ミッキー「…うん、勝負決まったでしょコレ。オイシュタ、出すもの出せよな?」 シュタイナー「むぅ!?いや、まだだ!私は大穴とは言えロドクを信じている!だからこそ正々堂々誘導したんだ!」 ロドク「あぁ?賭けてたのか?…って待て!賭けはいいけど大穴扱いふざけんなコラ!」寧ろ俺の方が勝ち筋あるやろが! ミッキー「ズルしたら即反則負けにするから勝ち目ないかな、と思ってね」シュタイナー「やるなよ?絶対」 ロドク「寧ろやると思われてんのかよ!!やらねーよ!まだ勝負決まってねーよ!!」 閃光騨「てかみてないでいいの?」ロドク「そうだった!どうなってる?」閃光騨「まだねらいさだめてる」ロドク「慎重スギィ!」 ユキ「…これで終わりにするんだっ!!えぇええええい!」スポッ ロドク「はっ?」 ドスッ!! ロドク「グフゥァッ!!」 ミルラ「うわぁああ!!ろ、ロドクくんの顔に刺さったぁああー!!」 ユキ「やーっべー…手が滑った…」 死忘「あぁ、また顔か…。」 かてないさかな「綺麗にスポーンッと抜けて行きましたねぇ…。」糊塗霧「逆に見事だったな。」 ロドク「いやお前ら…いいからコレ抜いてくれないか…顔から…」 ヤキムシ「…。」ゴォゥッ ボワァァァッ!! ロドク「あっちゃぁああ!焼き切れとは言ってねぇええ!!お前ぇっ!死なないとは言えこれ拷問だろほぼ!!」 死忘「結局ユキ姉も失敗かぁ…。」ユキ「くっそー…ほぼ完璧だったのに最後の最後で…あーあー…」ズーン ロドク「これで無事決着かな。とりあえず、俺の番だぞ。良かったなシュタ。賭けお前の勝ちだろ。ヘイ、新しい棒プリーズ」 シュタイナー「フッ。だそうだが?さぁ、配当金を貰おうか?高木よ」 ミッキー「まだ外してドローの可能性あるじゃないか!気が早ぇなお前!」シュタイナー「ぬっ…」 ロドク「言うて俺が仕組んでるのにそう外すとは思えんがなぁ…あぁ、もう後続いない事だしぶっちゃけるぞ? このスイカ、真ん中あたりに棒が当たりさえすれば割れる仕組みだったんだよ。本当にくす玉みたいだけども。」 死忘「なーんだ。思ったより簡単だったんじゃん。」 ロドク「そうだよ。簡単なのに何故か誰も達成出来てね―んだよ何でだお前らマジで。」 ロドク「ちなみに、棒以外で叩くとか、所定の位置外すと一瞬で超硬度に変化して絶対割れんぞ」 かてないさかな「それ最早スイカではないのでは…」ロドク「そもそもリンゴだしな。」 ロドク「ま、割れちまえばただのリンゴだし。食う時はもう何の変哲もないリンゴだから平気だ。さ、割るぞー」 糊塗霧「誘導なしでいいか?」ロドク「ざけんなやれ。」ユキ「てかロドクくん真っ直ぐ行くね。」ブレねーなオイ ロドク「うん。ちなみにズルはしてないよ。 元々スイカ割りクソ得意なの」だからお前はやるなって言われた事もあるよ。ドクイロが。 シュタイナー「なんだ、大穴どころか本命だったか」ミッキー「意外だねぇ…」 ロドク「そろそろ来てる?スイカの前?」死忘「あぁうん。大体あってるよー」激撃激「つまんねー」ロドク「聞こえてんぞコラ」 ロドク「まぁ、どうせもう答え合わせみたいなもんだろ。さっさか終わらせるぞ。せーの」 ロドク「ふぅんっっ!!」ベキィッ!! 全員「素でミスったぁーーーー!?」 ロドク「うっわ振り下ろす位置ミスった!!てかいってぇ!!」かてないさかな「棒モロ叩き付けましたもんね」そりゃいてーわ ユキ「てか折れた棒飛んできて軽く当たったんだけど…何?仕返し?」 ロドク「その程度で仕返しになるかよ俺モロ刺さってんだぞさっき!!」てかクッソーー!! ミッキー「ハハッ!まさか本当に引き分けるなんてねぇ?残念だけど賭けはナシだね。」 シュタイナー「おのれ…!ついに、ついに初勝利を収められると思っていたというのに…!!」 ※シュタさんはギャンブル好きだがクソ弱い。 ロドク「てか勝者なしって事はまたこれでも景品獲得なしって事だよな…。 決着もついてねーしもう…。めんどい、2周目誰でもいいからさっさと叩けコレ」 パコッ ミルラ「割れたよ!」ロドク「いやはえーよ。言われる前から準備してたろお前。」 かてないさかな「…てか待って下さい?いまあの子…目隠しアリで誰の指示もなく一直線に進んで割りましたよね?」 全員「!!?」 ミルラ「大体コツ掴めたから!うまくできてよかったー」 閃光騨「…ま、いっかー。それよりたべよー」激撃激「おう!まてまて、オレいちばーん!」タッタッタッ ロドク「あ、やっべ!全部取られる前に食わねば!急げー!」 ミッキー「…とりあえずこの金はミルラにあげるよ。」ミルラ「え、本当に!?」ユキ「クッ…。」 見た目がスイカのリンゴは、なんだか若干鉄さびのような味がした。 つづく。 |